ここ数年の日本向け漫画海賊版サイトの勢いは激しく、2017〜2018年にトップだった「漫画村」は、2018年4月に政府が海賊版サイトの緊急対策として漫画村を含む3サイトを名指しして対策の必要性を指摘したところ、サイトは閉鎖し、最終的に摘発されました。
漫画村の後継を狙うサイトはその後いくつも出現し、その中で最も大きく成長した「星のロミ」は2019年4月に大手出版社4社によってニューヨークで提訴 (翻訳記事)されると、こちらも閉鎖しました。
そして2020〜2021年の間、大手の海賊版サイトとして君臨していたうちの一つが「漫画BANK」であり、1日に海外メディアのTorrentFreakが集英社による漫画BANKに対する法的な要請について報じると、4日午後には以下のメッセージを残してサイトは閉鎖されました。

このメッセージによれば「サーバー維持費用の都合で閉鎖された」と書かれていますが、召喚令状の日時が10月27日以前であることと、この告知のためだけに用意されたと思われるページのドメイン www.2l7[.]net の登録日が10月26日という点から考えれば、令状の存在を知った先月ごろから管理者はサイトを閉鎖することを考えていたのでしょう。

そして執筆中の今月15日20時ごろから、名前を変えてサイトは復活しています(その後閉鎖)。
本稿では、私が漫画BANKについて調査した結果から、サイトが技術的にどのような構成で運営されていたか、また運営グループの起源についても焦点を当て、中国系の老舗BLスキャンレーショングループとの関連についても解説します。
“閉鎖した海賊版サイト「漫画BANK」を解剖、その始まりは中国系老舗BLスキャンレーションコミュニティ「三年五組」” の続きを読む