漫画村外伝:広告詐欺と仕掛け人三兄弟

らりっくまとお金

4月に閉鎖した大手海賊版サイト「漫画村」については、その収益化方法として画面に表示される広告(ディスプレイ広告)のほかに、Coinhiveを利用した仮想通貨マイニング、そして閲覧者の見えない部分で広告を表示させる「広告詐欺(アドフラウド)」も含まれていました。

今回漫画村で行われていたのは「隠し広告」とよばれるの広告詐欺の手法の一つで、閲覧者が漫画村のサイトを表示すると、プログラムが「まとめサイト」などを装ったサイトを見えない形で開き、このサイトに掲載されている広告が表示されます。これによってサイト運営者は不正に広告収益を獲得することができます。

この広告詐欺行為のために用意されたサイトの運営者と漫画村の関係についてはおそらく直接的な関係はそれほどなく、その間を取り持っているのは広告代理店とみられます。彼らが中心となって漫画村における広告詐欺を主導し、漫画村の運営者とも金銭的なやりとりなど密接な関係にあったのではないかと私は考えています。

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ダークウェブの住人たちを襲う次世代の「プロキシ型」フィッシング詐欺

匿名通信ソフトの「Tor(トーア)」には、利用者のインターネット通信の発信元を特定しづらくさせるだけでなく、サーバーのIPアドレスも隠蔽することでサイトの物理的な所在地を不明にさせる「Hidden Service(秘匿サービス)」という機能が備わっています。

その機能を用いて構築されたウェブサイトには、2004年から存在する日本語では最古の「Onionちゃんねる」のような一般的な掲示板もあれば、かつて存在した「Silk Road」「AlphaBay」のような世界最大の闇市場まで、Torの高い匿名性によって法の制限を受けない違法なウェブサイトが今でも数多く存在しています。

現在、その闇市場の中でも最大の勢力を誇っているのが「Dream」という闇市場です。Dreamは2013年から存在する老舗の闇市場で、本ブログでも過去に当局の捜査をかく乱させようとする動きを取り上げています。

Dream Market
Dream Market

Dreamのみならず、ダークウェブの闇市場のほぼすべては会員制のサイトになっています。ユーザーがサイトを利用するためには従来のサイトと同じように会員登録を行い(だいたいの場合無料)、アカウントにひもづく「ウォレット」に仮想通貨でチャージし、出品されている違法薬物などの商品を購入します。メルカリやヤフオクで古本を買うのと流れは大して変わりません。

逆に出品したい場合は、一定額を支払うことで出品者となる権利を得ます。これはマーケット内での詐欺や低品質な商品の出品などを防ぐためと考えられます。

ここでポイントになるのが、ウォレットにチャージするという手続きです。ユーザーがほしい商品があるたびに所定額をウォレットにチャージし、購入するといった手続きが煩わしい場合には、一度に数万〜数十万をチャージすることもあるでしょう。また、購入者ではなく販売者の場合には、商品が売れた場合にはウォレットに売り上げ額が振り込まれます(このあたりはサイトによって違いがあるかもしれません)。

要するに、たいていのユーザーのウォレットにはある程度の資金が残っていることがあるということです。そしてダークウェブ上で活動する詐欺師たちはこれに目をつけ、これまでとは少し違ったやり方で仮想通貨を奪い取っていきます。

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仮想通貨を採掘させるCoinhiveで逮捕・書類送検された人たちについてまとめた

仮想通貨の獲得に必要な計算を行うプログラムをサイト等に設置し、他人のパソコンでその計算を行わせたとして、今月14日までに、全国で3人が逮捕、13人が書類送検されたことが警察庁による発表で明らかになっています。

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不正なGoogle Chromeの拡張機能によりページが書き換えられ、総額500万円分の仮想通貨が盗み取られる

Bitcoinを盗むChrome

Google ChromeやFirefoxなどのウェブブラウザは、ブラウザの機能を向上させるために第三者が開発した自作のソフトウェアをブラウザ内で動作させる「拡張機能」「アドオン」などの仕組みを備えています。

今月3日、Chromeの拡張機能マーケットプレイス「Chromeウェブストア」において、「ドテンくる」という名前で配信されていた拡張機能が、利用者の仮想通貨を窃取する不正なコードを埋め込んでいたことがユーザーの報告で明らかになりました。

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「漫画村」大盛況の裏で「YouBook」など2つの違法サイトが閉鎖

漫画村・YouBook・DIGITAL MARKET

海賊版の漫画を無断で掲載する大手サイト「漫画村」は、依然として非常に多くのアクセス数を獲得しています。
このブログでは、2回にわたり漫画村についての調査を行い(記事一覧)、運営者と思われる人物を突き止めることに成功し、その結果も公表しましたが、現在もなおサイトの勢いは衰える様子を見せません。

一方で、漫画村のような漫画の海賊版サイトは、今では日本人の犯罪集団のあいだではトレンドのようで、いくつものグループあるいは個人がサイトを立ち上げ、広告収益などでマネタイズを行っています。

そのうちの一つである大手サイト「YouBook」が今月、サイトを閉鎖することを発表しました。

漫画海賊サイト大手「YouBook」が閉鎖 「月額2000円で読み放題」うたう – ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1804/05/news109.html

YouBookのサービス終了の告知(画像を一部加工しています)

要約すると、どうやら儲からなかったようです。YouBookについての詳しい説明は後述するとして、ちなみに、この告知文で言及されている「こちらのサービス」のリンク先はおもしろいことに漫画村でした。これに深い意味はないでしょう。

YouBookから漫画村へのリンク
YouBookから漫画村へのリンク

また3月には「DIGITAL MARKET」という別のサイトの閉鎖が発表されました。このサイトは漫画の海賊サイトなどではありませんでしたが、なぜこれを取り上げるのかについてはまた後述します。

この記事では、今まで語られてこなかったYouBookやDIGITAL MARKETの手口などについて、私が独自に調べた情報を掲載します。

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