カテゴリー
コラム ニュース

漫画村・星野ロミ、最後のプロジェクトで「保守速報」や不正医薬品販売組織と関係か

日本時間7月9日午前、フィリピンのメディアは違法漫画サイト「漫画村」の運営者とされる逃亡中の男(27)を入国管理局が拘束したことを伝えました。

男の名前は星野路実(ロミ)といい、これは私が漫画村の運営者として約2年前から指摘していた人物です。

昨年4月に星野は漫画村を閉鎖させてオンライン上から姿を消しましたが、それからこの男は何をしていたのでしょうか?
本記事では、私が得られた情報を基に、星野が手がけていた最後のプロジェクトがどのようなものであったか、その中で浮上してきた大手まとめサイト「保守速報」との関係、そして悪名高い不正医薬品の販売組織とのつながりを仄めかす点などついて、私の考えを述べていきます。

カテゴリー
コラム

海賊版対策としての「リーチサイト規制」の効果に期待できない理由

昨年に「漫画村」の問題が深刻化してから、同年4月に政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議は「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」と題し、海賊版サイトへの対策としてサイトへのアクセス制限の実施(ブロッキング)を主とした案を取りまとめました。

このブロッキングについては憲法の「通信の秘密」に反するなど様々な問題があり、今年1月に法制化は断念されました(産経新聞)。その後、違法ダウンロードの対象を漫画を含むすべての著作物に拡大するとともに「リーチサイト」の規制も盛り込まれた著作権法改正案が検討されましたが、こちらも結局、3月13日に政府は著作権法の改正案の提出を見送りました(日経新聞)。

この通りリーチサイト規制は見送られていますが、知的財産戦略本部では引き続き海賊版対策の議論は行われており、ここではリーチサイト規制は法案提出に向けて動きが進んでいるようです(中村伊知哉氏のブログ)。

しかしながらこのリーチサイト規制には、一つ大きな欠陥があるのではないかと私は考えています。本記事では海賊版の現状と、そこからこのリーチサイト規制について考えを述べていきたいと思います。

カテゴリー
ニュース リサーチ

漫画村に次ぐ「漫画塔」は、とあるアルメニア人の儚い夢だった

違法な海賊版サイト「漫画村」が姿を消して以降、その後継を狙う日本語の海賊版サイトはいくつか現れてはいましたが、短期間でサイトを閉鎖したり、漫画村と違って取り扱う本の数が少ないことなどから、漫画村の後継を求める人々にとっては不満足な状況が続いていました。

これらの後継とされるサイトで私が発見したものでは「まんがタウン」「mangasmap」「まんが郷」などがあり、これらはすべて何らかの理由から短期間で閉鎖しています。

まんがタウン
まんがタウン
まんが郷
まんが郷

9月下旬に現れたサイト「漫画塔」もそのひとつで、漫画村と同様にサイト上には違法にアップロードされた漫画雑誌や単行本であふれかえっており、その数は1.6万冊にものぼっていました。

漫画塔
漫画塔

今月には公式のTwitterアカウントも開設され、自らが漫画村の意思を受け継ぐ者と言わんばかりにサイトの宣伝を行っていました。画像の文やツイートを見ていくと、運営者はどうやら日本語が得意ではなさそうです。

漫画塔の公式Twitterアカウント
漫画塔の公式Twitterアカウント

URL: https://twitter.com/Mangatawa2 (アーカイブ

私は5日に漫画塔の存在をTwitterで知りました。漫画塔は開設直後で知名度はほとんどなく、サイト自体や運営者に関する情報も調べが進んでいない現状で不用意に名前を出すことは宣伝にしかならないと思い、名前は伏せつつもその存在についてツイートしました。

カテゴリー
リサーチ

漫画村外伝:広告詐欺と仕掛け人三兄弟

4月に閉鎖した大手海賊版サイト「漫画村」については、その収益化方法として画面に表示される広告(ディスプレイ広告)のほかに、Coinhiveを利用した仮想通貨マイニング、そして閲覧者の見えない部分で広告を表示させる「広告詐欺(アドフラウド)」も含まれていました。

今回漫画村で行われていたのは「隠し広告」とよばれるの広告詐欺の手法の一つで、閲覧者が漫画村のサイトを表示すると、プログラムが「まとめサイト」などを装ったサイトを見えない形で開き、このサイトに掲載されている広告が表示されます。これによってサイト運営者は不正に広告収益を獲得することができます。

この広告詐欺行為のために用意されたサイトの運営者と漫画村の関係についてはおそらく直接的な関係はそれほどなく、その間を取り持っているのは広告代理店とみられます。彼らが中心となって漫画村における広告詐欺を主導し、漫画村の運営者とも金銭的なやりとりなど密接な関係にあったのではないかと私は考えています。

カテゴリー
ニュース リサーチ

「漫画村」大盛況の裏で「YouBook」など2つの違法サイトが閉鎖

海賊版の漫画を無断で掲載する大手サイト「漫画村」は、依然として非常に多くのアクセス数を獲得しています。
このブログでは、2回にわたり漫画村についての調査を行い(記事一覧)、運営者と思われる人物を突き止めることに成功し、その結果も公表しましたが、現在もなおサイトの勢いは衰える様子を見せません。

一方で、漫画村のような漫画の海賊版サイトは、今では日本人の犯罪集団のあいだではトレンドのようで、いくつものグループあるいは個人がサイトを立ち上げ、広告収益などでマネタイズを行っています。

そのうちの一つである大手サイト「YouBook」が今月、サイトを閉鎖することを発表しました。

漫画海賊サイト大手「YouBook」が閉鎖 「月額2000円で読み放題」うたう – ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1804/05/news109.html

YouBookのサービス終了の告知(画像を一部加工しています)

要約すると、どうやら儲からなかったようです。YouBookについての詳しい説明は後述するとして、ちなみに、この告知文で言及されている「こちらのサービス」のリンク先はおもしろいことに漫画村でした。これに深い意味はないでしょう。

YouBookから漫画村へのリンク
YouBookから漫画村へのリンク

また3月には「DIGITAL MARKET」という別のサイトの閉鎖が発表されました。このサイトは漫画の海賊サイトなどではありませんでしたが、なぜこれを取り上げるのかについてはまた後述します。

この記事では、今まで語られてこなかったYouBookやDIGITAL MARKETの手口などについて、私が独自に調べた情報を掲載します。